最終更新日:2025/06/24
高齢者の方々が安心して快適な生活を送るための住まいとして、近年ますます多様化している「有料老人ホーム」。介護の仕事を探している方や、福祉分野でのキャリアアップを目指す方にとって、その選択肢の一つとして関心が高まっています。この記事では、有料老人ホームがどのような施設であり、そこで働く介護職やその他の専門職がどのような役割を担い 、どのような仕事をするのかを詳しく解説します。有料老人ホームの種類ごとの特徴や、働く上での魅力、やりがい、そして大変な点や求められるスキル、さらにはキャリアパスについても掘り下げていきます。多様な働き方やサービス提供に関心があり、自分に合った環境で専門性を発揮したいと考えるあなたの、職場選びの一助となる情報をお届けします。
目次
はじめに
有料老人ホームとは?その基本的な特徴と多様性
他の介護施設との違いは?
有料老人ホームの種類別サービス内容と職員の関わり
有料老人ホームで働く主な職種と仕事内容
有料老 人ホームで働く魅力とやりがい
有料老人ホームで働く上で大変なこと・求められること
有料老人ホームでのキャリアパスとスキルアップ
まとめ
「有料老人ホームって、特養や老健とどう違うの?」「どんな種類の施設があって、仕事内容も変わるの?」「民間企業が運営しているところが多いって聞くけど、働く上でどんな特徴があるの?」「どんな職種の人が活躍していて、キャリアアップは目指せるの?」有料老人ホームという職場に対して、様々な疑問や関心をお持ちのことでしょう。
この記事を読めば、有料老人ホームの法的な定義や、主な種類とその特徴、そして働く上でのメリットや大変な点について深く理解することができます。
また、他の種類の介護施設と働く環境として比較したり、有料老人ホームの種類別に提供されている主なサービス内容、そしてそこで働く主な職種とその具体的な仕事内容についても明確なイメージを持つことができるはずです。
さらに、有料老人ホームで働くことの魅力ややりがい、キャリアパスや求められるスキルについても詳しく解説します。
多様なニーズに応えるサービスを提供し、利用者様一人ひとりに寄り添ったケアを目指す有料老人ホームは、働く側にとっても、自身の価値観やスキル、目指すキャリアに合わせて職場を選びやすいという魅力があります。
この記事が、あなたのキャリアプランを具体化し、介護・福祉のプロフェッショナルとしての新たなステージへ進むための確かな情報源となることを願っています。
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まず、有料老人ホームがどのような施設であり、そこで働く職員がどのような役割を担うのか、その基本的な部分から詳しく見ていきましょう。
有料老人ホームは、老人福祉法に基づいて定義される施設で、高齢者の方を入居させ、食事の提供、介護サービスの提供、洗濯・掃除等の家事、健康管理といった日常生活上必要な便宜を提供する事業を行う施設を指します。
ここで重要なのは、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)のような「介護保険施設」とは異なり、主に民間企業によって運営されている施設が多いという点です。
この運営主体の違いから、有料老人ホームは施設ごとにサービス内容や料金体系、そして職員の働き方にも大きな多様性が見られるのが特徴です。
有料老人ホームは、提供される介護サービスの形態によって、主に以下の3つの種類に分けられます。
それぞれの種類によって、入居される方の状態像や、職員の仕事内容、求められるスキルも異なってきます。
まず、介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)です。
このタイプは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けており、施設の介護職員や看護職員が24時間体制で入居者様に介護サービスや看護ケアを提供します。
食事、入浴、排泄といった身体介護はもちろんのこと、健康管理や機能訓練、レクリエーションなども施設内で受けることができます。
要介護度の高い方も多く入居されており、職員は直接的な介護業務が中心となります。
次に、住宅型有料老人ホームです。
このタイプは、主に自立した方から軽度の要介護状態の方を対象とし、食事の提供や安否確認、生活相談、緊急時対応といった生活支援サービスが中心となります。
介護が必要になった場合は、入居者自身が外部の訪問介護事業所やデイサービスセンターなどと個別に契約し、介護サービスを利用する形が一般的です。
そのため、施設で働く職員の役割は、直接的な介護よりも、生活全般のサポートや見守り、外部サービス事業者との連携・調整が中心となります。
そして、健康型有料老人ホームです。
このタイプは、基本的に自立して生活できる健康な高齢者の方を対象としています。
食事の提供や家事支援、多彩なレクリエーションや趣味活動の提供など、アクティブなシニアライフをサポートするサービスが中心となります。
介護が必要な状態になった場合は、原則として契約を解除して退去することが前提となっている施設が多いです。
そのため、職員の役割は、介護よりも生活支援やアクティビティの企画・運営が中心となります。
有料老人ホームで働くことには、いくつかの一般的なメリットがあります。
まず、施設ごとの特色が強く、自分の価値観や得意なスキルに合った職場を選びやすいという点が挙げられます。
高級志向の施設、リハビリに力を入れている施設、特定の趣味活動が盛んな施設など、そのコンセプトは様々です。
また、比較的新しい施設や、最新の設備・ICT技術を導入している施設も多く、働きやすい環境が整っている場合があります。
さらに、民間企業が運営している施設が多いため、接遇マナーやホスピタリティを重視する傾向があり、質の高いサービス提供スキルを身につけることができます。
そして、大手企業が運営する有料老人ホームなどでは、介護職員から生活相談員、ケアマネジャー、さらには施設長やエリアマネージャーといった多様なキャリアパスが用意されている場合も多く、自身の成長に合わせてステップアップを目指しやすい環境と言えるでしょう。
一方で、有料老人ホームで働く上では、いくつかの留意点もあります。
最も大きな点は、施設によって運営方針や労働条件(給与、休日、福利厚生など)、教育体制が大きく異なるということです。
そのため、就職・転職の際には、事前に施設の情報をよく調べ、自分の希望する働き方ができるか、キャリアプランに合っているかなどを慎重に比較検討する必要があります。
また、民間企業が運営している場合、利益を追求する側面があるため、時には人員配置や業務負担、提供できるサービス内容に影響が出る可能性も否定できません。
介護付有料老人ホーム以外(住宅型や健康型)では、介護サービスは外部の事業者によって提供されるため、施設職員は外部サービス事業者との円滑な連携や情報共有が非常に重要となります。
そして、有料老人ホームの利用者様やそのご家族は、比較的費用負担が大きいこともあり、提供されるサービスに対する期待値が高い傾向にあります。
そのため、多様なニーズにきめ細かく対応する能力や、高いコミュニケーション能力が求められます。
有料老人ホームの特徴をより深く理解するために、他の代表的な介護施設と、働く場所としての視点から比較してみましょう。
まず、特別養護老人ホーム(特養)との違いです。
運営主体が、有料老人ホームの多くが民間企業であるのに対し、特養は社会福祉法人など公的な法人が中心です。
この違いは、職員の給与体系や福利厚生、そして施設の運営方針や雰囲気にも影響を与えることがあります。
また、入居一時金や月額利用料も大きく異なります。
特養は公的な施設であるため、比較的費用負担が抑えられていますが、有料老人ホームは施設によって料金設定が大きく異なり、高額な入居一時金が必要な場合や、月額利用料が高めに設定されている施設もあります。
これは、利用者様の経済状況や価値観の違いにも繋がり、職員が接する利用者層にも影響を与える可能性があります。
提供されるサービスについても、特養では介護保険制度に基づいた比較的均一なサービスが提供される傾向があるのに対し、有料老人ホームでは、施設ごとに独自のサービスや付加価値を提供し、多様なニーズに応えようとする傾向が見られます。
次に、介護老人保健施設(老健)との違いです。施設の目的が大きく異なります。
有料老人ホームは、基本的に「生活の場」として長期的な居住を前提としている施設が多い(特に介護付や住宅型)のに対し、老健は「在宅復帰支援」を目的としたリハビリテーション施設であり、入所期間も原則として3ヶ月から6ヶ月程度と定められています。
この目的の違いは、職員の役割にも影響します。
有料老人ホームでは、利用者様がその人らしく快適な生活を送れるよう、長期的な視点での生活支援や介護が中心となりますが、老健では、在宅復帰という明確なゴールに向けて、集中的なリハビリテーションの提供と、退所後の生活を見据えた支援が求められます。
リハビリ専門職(PT・OT・ST)の配置や関わり方も、老健の方がより手厚いのが一般的です。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も、高齢者向けの住まいとして近年増えていますが、有料老人ホームとは契約形態や提供されるサービスに違いがあります。
サ高住の多くは、建物賃貸借契約を結び、住まいと安否確認・生活相談サービスを基本として提供します。
介護サービスが必要な場合は、外部の訪問介護事業所などと別途契約するのが一般的です。
一方、有料老人ホームは、利用権方式や終身利用権方式といった契約形態が多く、特に介護付有料老人ホームでは、施設自体が介護サービスを提供します。
また、有料老人ホームは老人福祉法に基づき、食事の提供が義務付けられているなどの基準があります。
職員の関わり方も、サ高住では生活相談や見守りが中心となるのに対し、介護付有料老人ホームでは直接的な介護業務が多くなります。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の診断を受けた高齢者の方が、少人数(5~9人程度)のユニット単位で共同生活を送る施設です。
そのため、対象者が認知症高齢者に特化しており、職員には認知症ケアに関する高い専門性が求められます。
有料老人ホームも認知症の方を受け入れている施設は多くありますが、グループホームほど対象者を限定していません。
また、施設の規模や生活スタイルも異なります。
グループホームは、より家庭的な雰囲気の中で、利用者様がそれぞれの役割を持ちながら生活を送ることを支援しますが、有料老人ホームは、施設のコンセプトによって、ホテルのような快適さを追求したり、多彩なアクティビティを提供したりと、多様な生活スタイルを提供しています。
介護・福祉業界でご就業中の皆様今の年収、 今の働き方に満足してますか?あなたの理想の職場を
転職のプロが実現
有料老人ホームは、その種類によって提供されるサービス内容や、そこで働く職員の役割が大きく異なります。
ここでは、主な3つの種類別に、具体的なサービス内容と職員の関わり方を見ていきましょう。
介護付有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受け、施設に常駐する介護職員や看護職員が、24時間体制で入居者様に介護サービスや看護ケアを提供します。
介護職員の主な役割は、食事、入浴、排泄といった日常生活における身体介護や、居室の清掃、洗濯といった生活支援です。また、利用者様の楽しみや生きがいを引き出すためのレクリエーション活動の企画・実施も重要な業務となります。
看護職員は、入居者様の健康管理、医師の指示に基づく服薬管理や医療的ケア(施設の体制や本人の状態による)、急変時の対応、協力医療機関との連携などを担います。
生活相談員は、入居に関する相談や契約手続き、利用者様やご家族からの様々な相談への対応、関係機関との連絡調整など、施設の窓口としての役割を果たします。
ケアマネジャー(計画作成担当者)は、入居者一人ひとりの状態やニーズに合わせたケアプラン(特定施設サービス計画書)を作成し、その実施状況を管理します。
施設によっては、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士など)が配置され、個別または集団でのリハビリテーションを提供し、身体機能の維持・向上を支援します。
住宅型有料老人ホームは、主に自立した方から軽度の要介護状態の方を対象とし、快適な住まいと生活支援サービスを提供します。
施設で働く職員の主な役割は、食事の提供、安否確認や見守り、日常生活に関する相談対応、緊急時の対応、そして入居者様が楽しめるようなアクティビティやイベントの企画・提供などです。
介護が必要になった場合は、入居者自身が外部の訪問介護事業所やデイサービスセンター、福祉用具貸与事業者などと個別に契約し、介護サービスを利用する形が一般的です。
そのため、施設職員は、直接的な介護を行うのではなく、これらの外部サービス事業者との円滑な連携や情報共有、利用調整といった役割が重要になります。
施設によっては、介護職員が常駐し、一部の生活支援や見守りを行う場合もありますが、その業務範囲は介護付有料老人ホームとは異なります。
健康型有料老人ホームは、基本的に自立して生活できる健康な高齢者の方を対象としています。
そのため、提供されるサービスも、介護よりもアクティブなシニアライフをサポートするものが中心となります。
施設で働く職員の主な役割は、質の高い食事の提供、居室の清掃やリネン交換といった家事支援、健康管理のサポート、そして多彩なレクリエーションや趣味活動、文化活動の企画・運営などです。
フィットネスジムやプール、図書室、シアタールームといった共用施設が充実している施設も多く、入居者様が生きがいを持って活動的な生活を送れるよう支援します。
このタイプの施設では、介護サービスの提供は基本的に行われず、介護が必要な状態になった場合は、原則として契約を解除して退去することが前提となっています。
有料老人ホームの種類に関わらず、多くの施設で共通して提供される基本的なサービスとして、食事の提供や安否確認・見守りがあります。
質の高い食事の提供は、入居者様の健康維持はもちろんのこと、日々の生活の楽しみにも繋がるため、非常に重要です。
栄養バランスだけでなく、彩りや季節感、そして個々の嗜好やアレルギー、嚥下状態にも配慮した食事が求められます。
また、安心・安全な生活のための見守り体制も不可欠です。
定期的な巡回や緊急通報システムなどにより、入居者様の変化にいち早く気づき、適切な対応ができるように努めます。
そして、どのタイプの有料老人ホームで働く職員にも共通して求められるのは、利用者様一人ひとりとの丁寧なコミュニケーションを通じて信頼関係を構築し、その人らしい生活を尊重する心構えです。
有料老人ホームでは、その種類や規模、提供するサービス内容によって、様々な専門職がチームとして連携し、利用者様のケアにあたっています。
ここでは、主な職種とその具体的な仕事内容について、より詳しく見ていきましょう。
介護職員は、特に介護付有料老人ホームにおいて、利用者様の日常生活を支える中心的な役割を担います。
食事、入浴、排泄といった身体介護はもちろんのこと、居室の清掃や洗濯といった生活支援、そしてレクリエーション活動の企画・実施などが主な業務となります。
住宅型有料老人ホームにおいても、生活支援や見守り、緊急時対応、外部の介護サービス事業者との連携といった重要な役割を果たします。
有料老人ホームの介護職員には、それぞれの施設の理念や方針に基づいた、質の高いケアの実践が求められます。
例えば、高級志向の施設であれば、ホテルライクな接遇マナーが重視されることもありますし、リハビリに力を入れている施設であれば、機能訓練指導員と連携した生活リハビリの実践が求められることもあります。
看護職員は、主に介護付有料老人ホームにおいて、入居者様の健康管理全般を担います。
日々のバイタルサイン測定、医師の指示に基づく服薬管理や医療的ケア、急変時の対応、感染症予防対策、健康相談などが主な業務です。
また、協力医療機関の医師との連携や、介護職員への医療的な助言・指導も行います。
住宅型有料老人ホームにおいても、看護職員が配置され、入居者様の健康相談に応じたり、医療機関との連携をサポートしたりする場合がありますが、その配置基準や業務内容は介護付とは異なります。
生活相談員は、有料老人ホームの「相談窓口」として、入居を検討している方やそのご家族からの問い合わせ対応、施設見学の案内、入居契約の手続きなどを行います。
また、入居後は、利用者様やご家族からの様々な相談に応じ、必要な情報提供やアドバイス、関係機関との連絡調整などを行います。
苦情対応や、施設内での多職種連携の円滑化も重要な役割です。
高いコミュニケーション能力と、介護保険制度や関連法規に関する知識が求められます。
介護付有料老人ホームでは、ケアマネジャーが配置され、入居者一人ひとりの心身の状態や希望に応じたケアプランを作成します。
ケアプランに基づいて、どのような介護サービスや看護ケア、機能訓練などを、いつ、どのように提供するかを計画し、その実施状況を定期的にモニタリング(評価・見直し)します。
介護職員や看護職員、機能訓練指導員など、施設内の多職種と連携し、個別ケアを推進する中心的な役割を担います。
介護付有料老人ホームなど、リハビリテーションに力を入れている施設では、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といった機能訓練指導員が配置されています。
これらの専門職は、利用者様の身体機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションプログラムの作成と実施を担当します。
集団で行う体操やレクリエーションを通じた機能訓練や、個別の課題に応じた専門的なリハビリテーションなどを行います。
施設長やホーム長は、有料老人ホーム全体の運営管理を担う責任者です。
スタッフの採用・育成、労務管理、収支管理、入居者募集の営業活動、行政機関や関係機関との折衝など、その業務は多岐にわたります。
施設の理念や方針を明確にし、質の高いサービス提供体制を構築するためのリーダーシップが求められます。
上記以外にも、有料老人ホームの円滑な運営を支えるためには、事務手続きや経理を担当する事務員、栄養バランスの取れた美味しい食事を提供する調理スタッフ、施設内を清潔に保つ清掃スタッフなど、多くの職種の人々が働いています。
また、施設の特色によっては、音楽療法士や園芸療法士といったアクティビティ専門のスタッフや、高級志向の施設ではホテル経験のあるコンシェルジュが配置されている場合もあります。
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有料老人ホームで働くことには、介護職として多くの魅力とやりがいがあります。
有料老人ホームは、施設ごとに独自の理念や特色を持って運営されています。
そのため、画一的なケアではなく、利用者様一人ひとりの生活歴や価値観、そして多様なニーズに合わせた、より個別性の高いケアを実践できる可能性があります。
「こんな介護がしたい」「あんなサポートを提供したい」といった、自分自身の介護観やアイデアを形にしやすい環境が見つかるかもしれません。
特に近年新しく開設される有料老人ホームでは、最新の介護設備やICT技術(見守りセンサーや記録システムなど)が導入されている場合が多く、より快適で効率的なケアを提供できる環境で働くことができます。
また、多くの民間企業が運営する有料老人ホームでは、利用者満足度を重視し、質の高いサービス提供やホスピタリティの向上に力を入れているため、接遇スキルや専門性を磨く良い機会となります。
有料老人ホームには、前述の通り「介護付」「住宅型」「健康型」といった種類があり、それぞれ入居される方の状態像や提供されるサービス内容が異なります。
そのため、自分自身の介護スキルや経験、そしてどのような方々を支援したいかという価値観に合わせて、働く施設の種類を選ぶことができます。
例えば、しっかりとした介護技術を身につけたい方は介護付、コミュニケーションや生活支援に重点を置きたい方は住宅型といった選択が可能です。
また、運営母体の理念や方針に共感できる職場を選ぶことも、やりがいを持って長く働くためには重要です。
有料老人ホームでは、介護職員からスタートしても、経験を積む中でユニットリーダーやフロアリーダー、介護主任といった現場のリーダー職を目指したり、資格を取得して生活相談員やケアマネジャーといった専門職へキャリアチェンジしたり、さらには施設長やホーム長といったマネジメント職へとステップアップしたりと、多様なキャリアパスが用意されている場合があります。
特に大手企業が運営する有料老人ホームでは、研修制度が充実しており、キャリアアップを支援する体制が整っていることが多いです。
有料老人ホームの中には、比較的ゆとりのある人員配置をしていたり、レクリエーションやイベントに力を入れていたりする施設もあり、そのような環境では、利用者様一人ひとりとじっくりと向き合い、コミュニケーションを深める時間を確保しやすい場合があります。
利用者様やそのご家族との間に良好な信頼関係を築き、その方らしい生活を支援できることは、大きな喜びとなるでしょう。
有料老人ホームでの仕事は大きなやりがいがある一方で、その特性からくる大変なことや、働く上で求められることもあります。
有料老人ホームは、運営母体である民間企業の方針によって、給与水準や休日・休暇制度、福利厚生といった労働条件、そして入職後の研修制度や教育体制に大きなばらつきが見られます。
そのため、就職・転職の際には、求人情報や施設見学、面接などを通じて、これらの情報を事前にしっかりと確認し、比較検討することが非常に重要です。
多くの有料老人ホーム、特に民間企業が運営する施設では、利用者様を「お客様」として捉え、質の高いサービス提供と共に、丁寧な言葉遣いや身だしなみ、そしておもてなしの心といった、高いレベルの接遇マナーやホスピタリティが求められます。
これは、介護技術だけでなく、対人スキル全般を磨く良い機会とも言えますが、常に高い意識を持って業務にあたる必要があります。
有料老人ホームには、自立して生活できる方から、手厚い介護が必要な方、あるいは認知症の症状がある方など、様々な健康状態や生活歴、価値観を持つ利用者様が入居されています。
それぞれの利用者様の状態やニーズを的確に把握し、個別性に応じたきめ細やかな対応をするためには、幅広い知識と経験、そして柔軟な対応力が求められます。
住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームでは、施設内で提供される介護サービスは限定的であり、介護が必要になった場合は、外部の訪問介護事業所やデイサービスセンターなどと個別に契約して利用する形が一般的です。
そのため、施設職員は、これらの外部サービス事業者との間で、利用者様の情報を正確に共有し、スムーズな連携を図るためのコミュニケーション能力や調整能力が不可欠となります。
民間企業が運営する有料老人ホームの中には、残念ながら利益を優先するあまり、人員配置が手薄になったり、業務負担が過重になったり、あるいは提供できるサービスに制約が生じたりする可能性も否定できません。
施設の理念や評判、そして実際に働いている職員の声などを参考に、慎重に職場を選ぶことが大切です。
介護・福祉業界でご就業中の皆様今の年収、 今の働き方に満足してますか?あなたの理想の職場を
転職のプロが実現
有料老人ホームで働くことは、介護職や福祉専門職としてのキャリアを築き、専門性を高めていく上で、多くの可能性があります。
介護職員として経験を積み、リーダーシップや指導力が認められれば、まずはユニットリーダーやフロアリーダーといった、小規模なチームのまとめ役を任されることが多いでしょう。
さらに経験と実績を重ねることで、介護部門全体の責任者である介護主任や介護課長といった役職へと昇進していくキャリアパスが一般的です。
有料老人ホームでの実務経験は、生活相談員の任用資格(社会福祉主事任用資格など)の取得や、ケアマネジャー(介護支援専門員)の受験資格を得るための実務経験として認められる場合があります。
介護の現場経験を活かしながら、相談援助業務やケアプラン作成といった、より専門性の高い職種へキャリアチェンジすることも可能です。
介護現場や相談業務での経験を積み、リーダーシップや施設運営に関する知識・スキルを身につけることで、将来的には施設全体の運営責任者である施設長やホーム長といった、より高度なマネジメント職を目指す道も開かれています。
複数の有料老人ホームを運営する大手企業の場合、現場での経験を活かして、本社スタッフとしてキャリアを積む道もあります。
例えば、新人研修や専門研修を担当する研修担当者や、複数の施設を統括し、運営指導を行うエリアマネージャーといったポジションです。
多くの有料老人ホーム、特に大手企業が運営する施設では、職員のスキルアップを支援するための研修制度が充実しています。
介護技術や認知症ケア、接遇マナーといった専門研修や、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得を支援する制度を設けている場合もあります。
これらの制度を積極的に活用することで、自身の専門性を高め、キャリアアップに繋げることができます。
この記事では、「有料老人ホームとは?」というテーマで、求職者の方々が知りたい仕事内容や種類、働く魅力について詳しく解説してきました。
有料老人ホームは、民間企業を中心に運営され、多様なサービスと選択肢を提供する高齢者向けの住まいであり、そこで働く側にとっても、施設の特色や自身のキャリアプランに合わせて、多様な働き方やキャリアパスを選べる可能性がある職場です。
自分の価値観や得意なスキルを活かし、質の高いサービス提供やホスピタリティを追求したいと考える方にとって、挑戦しがいのある環境と言えるでしょう。
この記事が、有料老人ホームでの仕事に興味を持つあなたの理解を深め、数多くの施設の中から自分に最適な職場を見つけ出し、理想とする介護・福祉の仕事を実現するための一助となれば幸いです。
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