デイケア(通所リハビリテーション)とは?仕事内容・役割・働く魅力を徹底解説!

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最終更新日:2025/06/27

デイケア(通所リハビリテーション)とは?仕事内容・役割・働く魅力を徹底解説!

「専門的なリハビリテーションを通じて、利用者様の機能回復を直接サポートしたい」「医師や看護師、他のリハビリ専門職と緊密に連携しながら、チームで質の高いケアを提供したい」「在宅生活の継続という明確な目標に向けて、利用者様と共に歩みたい」そんな思いをお持ちの専門職の方にとって、「デイケア(通所リハビリテーション)」は、その専門性を存分に発揮できる、非常にやりがいのある職場の一つです。この記事では、デイケアがどのような場所であり、そこで働くリハビリ専門職や看護職、介護職などがどのような役割を担い、どのような仕事をするのかを詳しく解説します。デイサービスとの明確な違いや、デイケアで働く上での魅力、やりがい、そして大変な点や求められる専門スキル、さらにはキャリアパスについても掘り下げていきます。医学的管理のもとで、専門的なリハビリテーションを提供し、利用者様の「再び自分らしい生活」を支える仕事に興味のあるあなたの、職場選びの一助となる情報をお届けします。

目次

  • はじめに

  • デイケア(通所リハビリテーション)とは?

  • 【重要】デイサービスとの違いは?

  • デイケアで提供される主なサービス内容と職員の関わり

  • デイケアで働く主な職種と仕事内容

  • デイケアで働く魅力とやりがい

  • デイケアで働く上で大変なこと・求められること

  • デイケアでのキャリアパスとスキルアップ

  • まとめ

はじめに

「デイケアって、デイサービスと何が違うの?」「どんな職種の人が中心になって働いているの?」「リハビリ専門職としてのスキルを本当に活かせる場所なの?」「医療的な知識も必要になるのかな?」デイケアという言葉は知っていても、その具体的な仕事内容や働く環境については詳しく知らない、という方もいらっしゃるかもしれません。

この記事を読めば、デイケア(通所リハビリテーション)の法的な定義や介護保険制度における位置づけ、そして「医学的管理下での専門的リハビリテーション」という最大の特徴について深く理解することができます。

また、デイサービスとの明確な違いを、働く環境としての視点から比較したり、デイケアで提供されている主なサービス内容と、そこで働く職員がどのように利用者様と関わるか、そして主な職種とその具体的な仕事内容についても明確なイメージを持つことができるはずです。

さらに、デイケアで働くことの魅力ややりがい、大変な点、キャリアパスや求められる専門スキルについても詳しく解説します。

より専門性の高いリハビリテーションを通じて、利用者様のQOL(生活の質)向上に貢献したいと考えるリハビリ専門職の方、医療と介護の連携の中で看護の専門性を発揮したい看護職の方、そしてリハビリ視点を取り入れたケアを実践したい介護職の方にとって、デイケアは多くの学びと成長の機会を提供してくれる場所です。

この記事が、あなたのキャリアプランを具体化し、専門職としての新たなステージへ進むための確かな情報源となることを願っています。

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デイケア(通所リハビリテーション)とは?

まず、デイケア(通所リハビリテーション)がどのようなサービスであり、そこで働く職員がどのような役割を担うのか、その基本的な部分から詳しく見ていきましょう。

デイケアの定義と法的根拠

デイケアは、介護保険法に基づく「通所リハビリテーション」を提供する事業所のことを指します。

主な対象者は、要介護認定(または要支援認定)を受け、医師からリハビリテーションが必要と判断された方々です。


最大の特徴は、医師の指示のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーションの専門職が、利用者様一人ひとりの状態に合わせた専門的なリハビリテーションを提供するという点です。

そのため、デイケア事業所は、病院、診療所、あるいは介護老人保健施設(老健)といった医療機関や介護保険施設に併設されている場合が多く、医学的な管理体制が整っています。

デイケアの主な役割と目的

デイケアの最も大きな役割であり目的は、利用者様の心身機能の維持・回復を図り、日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)や手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)の向上を通じて、在宅生活の継続を支援し、自立を促すことです。


そのために、職員は以下のような専門的な関わり方が求められます。

まず、医師の指示に基づき、リハビリ専門職が中心となって、利用者様の身体機能や生活能力を評価し、個別リハビリテーション計画を作成・実施します。

看護職員は、医学的管理のもとで利用者様の健康状態を把握し、安全にリハビリテーションが行えるようサポートします。

介護職員は、リハビリ専門職や看護職員と連携し、日常生活上の支援やリハビリテーションの補助を行います。


また、日中の活動を通じて他者との交流を促し、社会的孤立感を解消することも大切な役割です。

そして、利用者様が安心して在宅生活を送れるよう、ご家族に対して介助方法の指導や相談支援を行うことも、デイケアの重要な機能の一つです。

デイケアで働く上での一般的な特徴(メリット)

デイケアで働くことには、いくつかの特徴的なメリットがあります。


特にリハビリ専門職にとっては、自身の専門知識や技術を存分に発揮し、利用者様の機能回復に直接的に貢献できるという大きなやりがいがあります。

医師や看護師との連携も非常に密であり、医療的な知識や多角的な視点を学び、スキルアップできる環境です。

また、利用者様の状態がリハビリテーションによって具体的に改善していく過程を目の当たりにできるため、目標達成の喜びを共有しやすいという魅力もあります。


勤務形態については、通所サービスであるため、日勤が中心で、夜勤がない場合がほとんどです。

そのため、規則的な生活リズムを保ちやすく、家庭やプライベートとの両立もしやすい働き方と言えるでしょう。


そして、医師、看護師、リハビリ専門職、介護職員、生活相談員など、多様な専門職がチームとして連携し、共通の目標に向かって協力する「チーム医療・チームケア」を実践できることも、大きな魅力の一つです。

デイケアで働く上での一般的な特徴(大変な点・留意点)

一方で、デイケアで働く上では、いくつかの大変な点や留意しておきたい点もあります。


まず、リハビリ専門職には、利用者様一人ひとりの状態を的確に評価し、効果的なリハビリテーション計画を作成・実施・評価・見直しするという、高度な専門性とアセスメント能力が常に求められます。


また、リハビリテーションの効果を最大限に引き出すためには、利用者様ご自身の意欲が非常に重要です。

時には、リハビリへの意欲が低い利用者様に対して、そのモチベーションを引き出し、維持するためのコミュニケーションスキルや工夫が必要となります。


多職種連携が密であることはメリットであると同時に、それぞれの専門職の意見を尊重し、円滑な情報共有と意思疎通を図るためには、高度なコミュニケーション能力と協調性が不可欠です。


利用者様の状態は多様であり、基礎疾患や合併症を抱えている方も少なくありません。

そのため、個別性の高いリハビリテーションを提供するための知識と経験、そして医学的なリスク管理への意識も求められます。

事業所によっては、介護職員やリハビリ専門職が送迎業務を担う場合もあり、運転スキルや時間管理能力が必要となることがあります。

【重要】デイサービスとの違いは?

デイケア(通所リハビリテーション)とデイサービス(通所介護)は、どちらも日帰りで利用する通所型のサービスであるため混同されやすいですが、その目的や提供されるサービス内容、そして働く職員の専門性には明確な違いがあります。

求職者にとっては、この違いを正しく理解することが、自分に合った職場を選ぶ上で非常に重要です。

最大の違い:医学的管理とリハビリテーションの専門性

デイケアとデイサービスの最も大きな違いは、「医学的管理のもとで、専門的なリハビリテーションを提供するかどうか」という点です。


デイケアでは、医師の指示に基づき、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった国家資格を持つリハビリ専門職が、利用者様一人ひとりの状態に合わせた専門的なリハビリテーションを集中的に提供します。

一方、デイサービスでも機能訓練は行われますが、これは主に日常生活を送る上で必要な心身機能の維持・向上を目的としたものであり、リハビリ専門職の配置は必須ではありません。

看護師や柔道整復師などが機能訓練指導員として、体操やレクリエーションを通じた生活リハビリを中心に行う場合が多いです。


この違いから、デイケアで働く職員、特にリハビリ専門職には、より高度な専門知識と技術が求められます。

医師の関与の度合い

医師の関与の度合いも大きな違いです。

デイケアでは、医師の配置が法律で義務付けられており(専任の常勤医師1名以上、または病院・診療所・老健との兼務でも可)、医師が利用者様のリハビリテーション計画の策定に関与し、医学的な管理を行います。

一方、デイサービスでは、医師の配置は義務付けられておらず、利用者様の健康管理は主に看護職員が担います。

リハビリ専門職の配置と役割

リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の配置と役割も明確に異なります。

デイケアでは、これらのリハビリ専門職の配置が人員基準で定められており、彼らがリハビリテーションの中心的な役割を担います。

個別リハビリテーション計画の作成から実施、評価までを一貫して行い、専門的なアプローチで利用者様の機能回復を目指します。


一方、デイサービスでは、リハビリ専門職の配置は必須ではなく、「機能訓練指導員」として、看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などもその役割を担うことができます。

そのため、提供される機能訓練の内容も、より生活に密着したものが中心となる傾向があります。

対象となる利用者の状態像とニーズの違い

対象となる利用者様の状態像やニーズにも違いが見られます。

デイケアを利用する方は、脳卒中後遺症や骨折後のリハビリ、パーキンソン病などの神経難病、廃用症候群など、より積極的な機能回復や維持を目的としている方や、医学的な管理が必要な方が多い傾向にあります。


一方、デイサービスを利用する方は、日常生活上の支援が必要な方、社会的孤立感を解消したい方、日中の楽しみや活動の場を求めている方など、より幅広いニーズを持った方々が対象となります。

働く職員の職種構成とチームアプローチの違い

上記の目的やサービス内容の違いから、働く職員の職種構成やチームアプローチのあり方も異なります。

デイケアでは、医師、看護師、リハビリ専門職といった医療職・リハビリ専門職の比重が高く、医学的な視点とリハビリテーションの専門性を融合させたチームアプローチが特徴です。

一方、デイサービスでは、介護職員が中心となり、生活相談員や看護職員、機能訓練指導員が連携して、日常生活の支援やレクリエーション活動を通じた心身機能の維持、社会的交流の促進といったアプローチが中心となります。

事業所の設備(リハビリ機器など)の違い

提供するサービスの違いから、事業所の設備にも差が見られます。

デイケアでは、専門的なリハビリテーションを提供するために、平行棒や訓練用マット、各種測定機器、物理療法機器といった専門的なリハビリテーション機器や、十分な広さの訓練スペースが充実している傾向にあります。


一方、デイサービスでは、入浴設備や食堂、レクリエーションを行うためのスペースが中心となり、機能訓練のための機器は比較的簡易的なものが多い場合があります。

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デイケアで提供される主なサービス内容と職員の関わり

介護老人保健施設(老健)に併設されることが多いデイケア(通所リハビリテーション)では、利用者様の在宅生活継続という共通の目標に向けて、多職種が連携し、様々な専門的サービスを提供しています。

それぞれのサービスにおいて、職員はどのように関わっていくのでしょうか。

専門的なリハビリテーションとリハビリ専門職の役割

デイケアの最も中心的なサービスが、医師の指示のもとで行われる専門的なリハビリテーションです。

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)といったリハビリ専門職が、利用者様一人ひとりの状態や目標、生活環境などを詳細に評価(アセスメント)し、それに基づいて個別のリハビリテーション計画を作成します。

具体的なリハビリテーションの内容としては、筋力強化訓練や関節可動域訓練、バランストレーニング、歩行訓練といった身体機能訓練、食事や更衣、トイレ動作、入浴動作、家事動作といった日常生活動作訓練(ADL訓練)、そして言葉によるコミュニケーションに障害のある方(失語症、構音障害など)や、飲み込みに障害のある方(嚥下障害)に対するコミュニケーション訓練や嚥下訓練などが行われます。


リハビリ専門職は、これらの訓練を計画的に実施し、その効果を定期的に測定・評価し、必要に応じて計画を見直します。

また、利用者様が自宅で安全かつ効果的に生活できるよう、福祉用具(杖、車椅子、手すりなど)の選定や住宅改修に関する専門的な助言も行います。

健康管理・医療的ケアと看護職員・医師の役割

デイケアでは、医師が配置され(常勤または非常勤)、利用者様の医学的な管理やリハビリテーション計画への指示、健康状態の診察などを行います。

看護職員(看護師・准看護師)は、医師の指示のもと、利用者様の健康管理全般を担います。

具体的には、施設到着時のバイタルサイン測定(体温、血圧、脈拍、呼吸状態、酸素飽和度など)や全身状態の観察、医師の指示に基づく服薬管理、褥瘡の処置、経管栄養やインスリン注射といった必要な医療的ケアの提供(施設の体制や利用者の状態による)、感染症予防対策、健康相談などが主な業務です。

また、リハビリテーション実施中の利用者様の体調変化に注意を払い、安全にリハビリテーションが行えるようサポートすることも重要な役割です。

急変時には、医師と連携し、迅速かつ適切な対応を行います。

日常生活上の支援・介護と介護職員の役割

デイケアにおける介護職員の役割は、リハビリテーションで獲得した能力を、実際の生活場面で活かせるように支援すること、そしてリハビリテーション以外の時間帯における日常生活上の支援です。


例えば、リハビリ専門職と連携し、食事の際に正しい姿勢を保つよう促したり、更衣の際に自分でできる部分を増やすよう声かけをしたりといった「生活リハビリ」の視点を持った関わりが求められます。

また、入浴サービスが提供される場合は、利用者様の状態に合わせた入浴介助や、食事サービスが提供される場合は、食事介助や見守り、そして必要に応じて排泄介助なども行います。


介護職員は、日々のケアの中で利用者様の小さな変化や課題を発見し、それをリハビリ専門職や看護職員と共有し、チーム全体でより良い支援に繋げていくという、重要な情報連携の役割も担います。

送迎サービスと職員の役割

多くのデイケア事業所では、利用者様のご自宅と施設の間を送迎するサービスを提供しています。

介護職員や専門の送迎ドライバー、時にはリハビリ専門職や看護職員が、専用の車両(車椅子対応のリフト付き車両など)を運転または添乗し、利用者様を安全かつ快適に送迎します。

送迎時には、単に移動を助けるだけでなく、利用者様の乗降の際の介助や、車内での健康状態の確認、ご家族への挨拶や簡単な連絡事項の伝達なども行います。

安全運転はもちろんのこと、決められた時間に複数の利用者様のご自宅を効率的に回るための時間管理能力や、天候に左右されずに業務を遂行する体力も求められます。

食事サービスと栄養管理

デイケアでは、昼食などの食事サービスが提供されるのが一般的です。

管理栄養士や栄養士が、利用者様の健康状態や栄養状態、嚥下機能(飲み込みの力)などを考慮し、医師や言語聴覚士とも連携しながら、栄養バランスの取れた献立を作成します。

調理スタッフは、その献立に基づいて、安全で美味しい食事を提供します。

特に、嚥下障害のある利用者様に対しては、きざみ食、ミキサー食、ソフト食といった、その方の状態に合わせた食事形態の工夫が重要となります。

相談援助サービスと生活相談員(または支援相談員)の役割

デイケアにおいても、利用者様やそのご家族からの様々な相談に応じる相談援助サービスが提供されます。

この役割は、主に生活相談員(または介護老人保健施設併設の場合は支援相談員、社会福祉士など)が担います。

具体的には、デイケアの利用に関する相談や契約手続き、在宅生活における困りごとや不安への対応、介護保険制度や地域の福祉サービスに関する情報提供、関係機関(ケアマネジャー、地域のサービス事業者、医療機関など)との連絡調整などを行います。

また、通所リハビリテーション計画の作成やモニタリングにも関与し、多職種チームの一員として利用者様の在宅生活を支援します。

デイケアで働く主な職種と仕事内容

デイケア(通所リハビリテーション)事業所では、利用者様に専門的なリハビリテーションと必要な医療・介護を提供するために、非常に多くの専門職がそれぞれの役割を担いながら連携して働いています。

ここでは、主な職種とその具体的な仕事内容について、より詳しく見ていきましょう。

医師

医師は、デイケアにおける医学的管理の責任者です。

利用者様一人ひとりの状態を把握し、リハビリテーションの必要性や適応を判断し、具体的なリハビリテーション計画に関する指示を出します。

また、利用者様の健康状態の変化や急変時の対応、感染症対策の指導なども行います。

定期的な診察を通じて、リハビリテーションの効果を評価し、必要に応じて計画の見直しを指示します。

多くのデイケアでは、併設されている病院や診療所、介護老人保健施設の医師が兼務しているか、非常勤で関わっています。

理学療法士(PT)

理学療法士(PT)は、主に利用者様の基本的な動作能力(寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなど)の回復や維持・向上を目指したリハビリテーションを担当します。

関節可動域訓練、筋力増強訓練、バランストレーニング、歩行訓練といった運動療法や、温熱療法、電気刺激療法といった物理療法などを、利用者様の状態に合わせて計画・実施します。

また、杖や歩行器、車椅子といった福祉用具の選定や使用方法の指導も行います。

作業療法士(OT)

作業療法士(OT)は、利用者様がその人らしい生活を送るために必要な、より応用的で実際的な動作能力(食事、更衣、整容、入浴、トイレ動作といった日常生活動作(ADL)や、調理、洗濯、掃除といった家事動作、趣味活動、仕事に関連する動作など)の回復や維持・向上を目指したリハビリテーションを担当します。

手工芸や園芸、レクリエーションといった様々な「作業活動」を通じて、身体機能だけでなく、精神機能や認知機能へのアプローチも行います。

また、住宅改修に関する助言や、自助具の紹介・作成なども行います。

言語聴覚士(ST)

言語聴覚士(ST)は、言葉によるコミュニケーションに障害のある方(失語症、構音障害、高次脳機能障害に伴うコミュニケーション障害など)や、食べ物を飲み込むことに障害のある方(嚥下障害)に対して、専門的な評価と訓練を行います。

発声練習や単語・文章の理解・表出訓練、読み書き訓練といったコミュニケーション訓練や、安全に食事を摂取するための嚥下訓練(間接訓練・直接訓練)、食事形態の調整に関する助言などを行います。

看護職員(看護師・准看護師)

看護職員は、デイケアにおいて利用者様の健康管理全般を担います。

施設到着時のバイタルサイン測定(体温、血圧、脈拍、呼吸状態、酸素飽和度など)や全身状態の観察、医師の指示に基づく服薬管理や医療処置(褥瘡の処置、経管栄養、インスリン注射など、施設の体制や利用者の状態による)、感染症予防対策、健康相談などが主な業務です。

また、リハビリテーション実施中の利用者様の体調変化に注意を払い、安全にリハビリテーションが行えるようサポートすることも重要な役割です。

介護職員に対して、医療的な観点からの助言や指導を行うこともあります。

介護職員(ケアワーカー、介護士)

介護職員は、デイケアにおいて、リハビリテーションの補助や、リハビリ以外の時間帯における日常生活上の支援を行います。

具体的には、リハビリ専門職の指示のもとで、訓練の準備や片付け、訓練中の見守りや簡単な補助、利用者様の移動の介助などを行います。

また、入浴サービスが提供される場合は入浴介助、食事サービスが提供される場合は食事介助や見守り、そして必要に応じて排泄介助なども行います。

送迎業務を担当することもあります。

リハビリ専門職や看護職員と常に情報を共有し、連携しながら、利用者様の在宅生活継続を支援します。

生活相談員(または支援相談員、社会福祉士など)

生活相談員は、利用者様やそのご家族からの様々な相談に応じます。

デイケアの利用に関する相談や契約手続き、在宅生活における困りごとや不安への対応、介護保険制度や地域の福祉サービスに関する情報提供、関係機関との連絡調整などが主な業務です。

また、通所リハビリテーション計画の作成やモニタリングにも関与し、多職種チームの一員として利用者様の在宅生活を支援します。

その他

上記以外にも、デイケアの円滑な運営を支えるためには、利用者様の栄養管理や食事指導を行う管理栄養士・栄養士、食事提供がある場合は調理スタッフ、利用契約や請求業務などを担当する事務員、送迎業務を専門に行う運転手といった職種の人々が働いている場合があります。

これらの職種も、間接的に利用者様の機能回復と在宅生活支援に貢献する重要な役割を担っています。

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デイケアで働く魅力とやりがい

デイケア(通所リハビリテーション)で働くことには、特にリハビリ専門職や看護職、そして専門性を高めたい介護職にとって、多くの魅力と大きなやりがいがあります。

利用者の「機能回復」や「目標達成」を直接支援できる

デイケアの最大の魅力は、専門的なリハビリテーションを通じて、利用者様の身体機能や生活能力が具体的に向上していく過程を目の当たりにし、その「機能回復」や「目標達成」を直接支援できることです。

「昨日まで杖がないと歩けなかった方が、杖なしで歩けるようになった」「自分で食事がとれるようになった」「家族と会話ができるようになった」といった具体的な成果は、専門職としての大きな喜びと達成感に繋がります。

利用者様やご家族からの感謝の言葉も、日々の励みとなるでしょう。

高度な専門性を活かし、チーム医療・チームケアを実践できる

デイケアでは、医師の指示のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、介護職員、生活相談員などが、それぞれの専門性を最大限に発揮し、緊密に連携しながらチームとして利用者様を支援します。

定期的なカンファレンスや日々の情報共有を通じて、互いの専門知識や技術を尊重し合い、学び合うことができます。

このような環境で働くことは、自身の専門性を深めるだけでなく、チーム医療・チームケアを実践する醍醐味を味わうことができるでしょう。

医学的管理下で、より安全かつ効果的なリハビリを提供できる

デイケアには医師が配置され(または併設の医療機関の医師が関与し)、看護職員も常駐(または定期的に関与)しているため、利用者様の健康状態を医学的に管理しながら、より安全かつ効果的なリハビリテーションを提供することができます。

体調変化や急変時にも迅速に対応できる体制が整っているため、リハビリ専門職は安心して専門的なアプローチに集中できます。

また、医療的な視点を取り入れたリハビリテーション計画の立案・実施が可能となります。

利用者の在宅生活継続という明確な目標に貢献できる

デイケアの最終的な目標は、利用者様が住み慣れた自宅で、できる限り長く、その人らしい生活を継続できるよう支援することです。

「家に帰りたい」「家での生活を続けたい」という利用者様の切実な願いをサポートし、その実現に貢献できることは、大きなやりがいとなります。

退所後の生活を見据え、ご家族への介助指導や住宅改修のアドバイスなども含めた、包括的な支援に関わることができます。

日勤中心で、専門性を追求しながら働きやすい環境

多くのデイケア事業所は日中のみの運営であり、夜勤がない場合がほとんどです。

そのため、規則的な生活リズムを保ちやすく、家庭やプライベートな時間との両立がしやすいというメリットがあります。

また、日中の時間を活用して、学会や研修会に参加したり、自己研鑽に励んだりする時間も確保しやすく、専門性を追求しながら働きやすい環境と言えるでしょう。

デイケアで働く上で大変なこと・求められること

デイケアでの仕事は大きなやりがいがある一方で、その専門性の高さや特性からくる大変なことや、働く上で求められることもあります。

高い専門性と、常に新しい知識・技術を学ぶ意欲

デイケアで働く専門職、特にリハビリ専門職や看護職には、それぞれの分野における高度な専門知識と技術が求められます。

また、リハビリテーションの理論や技術、医療に関する知見は常に進歩しているため、学会や研修会への参加、専門書の購読などを通じて、常に新しい知識や技術を学び続け、自身の専門性をアップデートしていく意欲と努力が不可欠です。

利用者様一人ひとりの状態に合わせた個別性の高いリハビリテーション計画を作成・実施するためには、深い洞察力とアセスメント能力も重要となります。

利用者のリハビリ意欲を引き出し、維持する難しさ

リハビリテーションの効果を最大限に引き出すためには、利用者様ご自身の「治りたい」「できるようになりたい」という意欲が非常に重要です。

しかし、病気や障害の影響、あるいは長期間の療養生活による精神的な落ち込みなどから、リハビリテーションに対して消極的になったり、意欲が低下したりする利用者様も少なくありません。

そのような方々に対して、根気強く関わり、共感し、その方の思いを尊重しながら、リハビリテーションへのモチベーションを高め、維持していくためのコミュニケーションスキルや工夫、そして忍耐強さが求められます。

多職種連携における高度なコミュニケーションと調整力

多職種連携はデイケアの強みですが、それぞれの専門職が持つ知識や視点、意見を尊重しつつ、利用者様にとって最善の目標を共有し、円滑に連携していくためには、高度なコミュニケーション能力と調整力が必要です。

日々の情報共有を徹底し、カンファレンスやミーティングで建設的な議論を行い、チームとしての一体感を醸成していく努力が求められます。

時には、異なる意見を調整し、合意形成を図る難しさに直面することもあるでしょう。

結果が求められるプレッシャー

デイケアの大きな目標は、利用者様の機能回復と在宅生活の継続です。

そのため、提供するリハビリテーションやケアに対して、一定の成果や効果が期待されます。

利用者様やご家族、そしてケアマネジャーなど関係機関からの期待に応え、限られた利用期間の中で効果的な支援を提供しなければならないというプレッシャーを感じることもあるかもしれません。

送迎業務や事務作業など、専門業務以外の負担

特に介護職員や、一部のリハビリ専門職、看護職員などは、専門的な業務に加えて、利用者様の送迎業務(運転または添乗)や、日々の記録作成、リハビリテーション計画書や報告書といった事務作業なども担う場合があります。

これらの業務も、安全かつ効率的に行うためのスキルや注意力が求められます。

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デイケアでのキャリアパスとスキルアップ

デイケア(通所リハビリテーション)で働くことは、各専門職としてのキャリアを築き、専門性を高めていく上で、多くの可能性があります。

リハビリ専門職としての認定資格取得や専門分野の深化

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職は、デイケアでの実務経験を積みながら、それぞれの専門分野における認定資格の取得を目指すことができます。

また、脳血管疾患リハビリテーション、運動器リハビリテーション、摂食嚥下リハビリテーション、高次脳機能障害リハビリテーションといった、特定の専門分野を深く追求し、その分野のスペシャリストとして活躍する道も開かれています。

看護職としての専門性向上

看護職員は、デイケアでの経験を通じて、リハビリテーション看護や老年看護、あるいは認知症看護といった分野の専門性を高めることができます。

リハビリテーションのプロセスにおける看護の役割や、高齢者の在宅生活を支えるための医療的視点からのアプローチなどを深く学ぶことができます。

将来的には、これらの分野の認定看護師や専門看護師といった上位資格を目指すことも可能です。

管理職・リーダーとしての役割

経験と実績を積み、リーダーシップやマネジメント能力が認められれば、デイケア事業所内のリハビリテーション部門の責任者や、看護部門の責任者、あるいは事業所全体の運営を担う管理者といった、管理職・リーダーとしての役割を担うキャリアパスが開かれます。

訪問リハビリテーションや病院など、他の領域へのキャリアチェンジ

デイケアで培ったリハビリテーションの専門知識や技術、そして多職種連携の経験は、訪問リハビリテーション事業所や、病院の回復期リハビリテーション病棟、急性期・慢性期病棟、あるいは介護老人保健施設(老健)の入所部門など、他の医療・介護領域へキャリアチェンジする際にも大きな強みとなります。

在宅生活を見据えたリハビリテーションの視点は、どの分野でも活かすことができるでしょう。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得と役割拡大

デイケアでの実務経験は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験資格を得るための実務経験として認められる場合があります(職種や経験内容による)。

ケアマネジャーの資格を取得することで、利用者様のケアプラン作成に直接関わったり、より広範な視点から在宅生活支援に貢献したりと、役割を拡大していくことも可能です。

まとめ

この記事では、「デイケア(通所リハビリテーション)とは?」というテーマで、求職者の方々が知りたい仕事内容や役割、働く魅力について詳しく解説してきました。

デイケアは、医師の指示のもと、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリ専門職が中心となり、看護師、介護職員、生活相談員など多職種が連携して、利用者様の心身機能の維持・回復と在宅生活の継続を支援する、非常に専門性の高い通所サービスです。

そこで働く専門職にとっては、自身の専門知識や技術を存分に発揮し、利用者様の「できる」を増やし、その人らしい生活を取り戻すお手伝いをするという、大きなやりがいを感じられる職場です。

医療と介護の連携の中で、チームとして利用者様を支え、その機能回復という明確な目標に向かって専門性を高めていきたいと考えるあなたにとって、デイケアは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

この記事が、デイケアでの仕事に興味を持つあなたの理解を深め、新たなキャリアへの挑戦を力強く後押しし、利用者様の「再び自分らしい生活」を支える専門家としての道を歩み始めるきっかけとなれば幸いです。

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